第43期中間事業報告|2023.4.1~2023.9.30
証券コード8518
株主の皆さまにおかれましては、平素より格別のご高配を賜り、厚く御礼申し上げます。
ここに、43期中間期のご報告を申し上げます。
当中間期は、営業収益が1,269百万円となり、親会社株主に帰属する四半期純損失は543百万円となりました。その結果、誠に遺憾ながら中間配当の実施は見送らせて頂きます。
ファンドで国内の利益率が高い上場株式を売却したほか、M&Aによる未上場株式の売却を実現しました。また、評価損や引当金による損失が減少しました。プロジェクトの売却はありませんでしたが、新たに稼働したメガソーラープロジェクトの売電収入や、植物工場の野菜の販売額が増加しました。
その結果、前年同期に比べて14.1%増収となり、赤字幅は128百万円縮小しています。
通期の業績見込みに変更はありません。従来連結基準※で、親会社株主に帰属する当期純利益120百万円を目指します。中間期までの進捗状況は、株式売却の一部が下期にずれ込んだことや、計画外の株式売却損により下振れしています。しかしながら、下期に株式売却を進めるほか、評価損や引当金が減少して売却損を補うことができると見込んでいます。
加えて、国内で比較的投資金額の多額な未上場株式や、物流施設と障がい者グループホームの売却を見込んでいます。これらの実現が業績見込み達成の要となるため、売却候補先の開拓や、売却条件の交渉に注力してまいります。
※ 従来連結基準の説明及び決算の詳細については、決算発表資料
https://www.jaic-vc.co.jp/jir/jirlibrary/settle/index.htmlをご覧ください。
当中間期は、ヘルスケアプロジェクトで障がい者グループホームの新規開発が進みました。また、プライベートエクイティ投資ではファンドからの新規投資が進捗しました。
障がい者ホームグループホーム拠点一覧
※ 投資予定のものを含む
北海道地域中小企業グローバル化支援ファンド 投資先企業
社名 | 株式会社 とかち製菓 |
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URL | https://tokachiseika.com/ |
所在地 | 北海道河西郡 |
事業内容 | 北海道十勝産の大豆、生乳、バターなどを利用 した和菓子(大福、白玉団子)等の製造・販売 |
特徴 | 高い商品力と確立された十勝産ブランドを強 みに、国内のコンビニエンスストアや高級スー パーで販売 |
海外展開 | マレーシアへの進出計画を当ファンドにて支援 する計画 |
特集
1
近年では、農業人口の減少・高齢化や異常気象により農産物の供給が不安定となり、常に一定の調達が必要な食材メーカーやレストランチェーン等では、品質・量・価格が安定している植物工場野菜の利用が進んでいます。
当社は、兵庫県丹波篠山市の完全人工光型植物工場(篠山工場)に投資をしています。工場ではLEDライト、温度、水、養分などの生育環境をコントロールして、季節や天候を問わず均一の品質で一定量を生産します。また、工場内で土を使わず無農薬で生産した野菜は露地栽培に比べて安全かつ衛生的であり、洗浄用の水資源や労働力の削減にもつながります。加えて、工場内の生産業務は労働負荷が少なく環境も安定しているため、高齢者など多様な方が快適に働くことができます。
植物工場の生産工程
㈱モーベルファームは、当社の植物工場のパートナー企業であり、篠山工場を運営しています。グリーンリーフレタスを安定して大規模生産し、大手コンビニエンスストアの総菜用や、全国展開のコーヒーショップのサラダ用などとして販売しています。篠山工場のレタスは、一株当たりの重量が多く廃棄部分が少ないため効率良く調理加工が可能であり、品質に厳しい大手企業からも高く評価されています。
2019年2月に竣工後、設備の入替、工場の増設、生育環境の最適化、歩留まり率の改善などを重ねて生産量を増加させるとともに、販売先の開拓と販売単価の引き上げを進め、売上高を増加してきました。今後も、さらなる生産性の向上、コストの圧縮、販価の高い顧客の開拓に注力し、業績を伸長させる計画です。
2023年3月、㈱モーベルファームは、兵庫県養父(やぶ)市の完全人工光型植物工場(「養父工場」)で「Lovege(ラベージ)」ブランドのフリルレタス等を生産する企業をオリックス㈱から取得し、工場の運営を承継しました。養父工場では、小売用野菜を食品宅配会社やスーパーマーケット等に販売しています。小売用野菜は、業務用野菜に比べて、受注量が不安定な一方で販売単価の高い点が特徴です。
工場運営を承継した後、㈱但馬銀行からの融資を受けて工場設備の入替を行い、生産性の向上と電力コストの削減に成功しました。篠山工場の顧客への販売も始まるなど、相乗効果も現れています。その結果、篠山工場に先行して2023年8月に、株式会社モーベルファーム養父の単月黒字化を達成しました。
当社では、植物工場のレタスの市場規模は将来約2000億円※程度まで拡大すると期待しています。今後は、2つの工場で安定した大量生産を実現した知見を活かし、最大消費地である関東地区への進出を目指します。
※ 農林水産省(政府統計)によると令和3年度レタスの全国出荷量は51.6万トン。このうち50%が加工・業務用で、かつ、その全てが工場野菜に置き換わるとの仮定に基づく想定。
特集
2
2023年10月、事業承継ファンド「サクセッション2号投資事業有限責任組合」が、日本各地の地域金融機関からの出資を受けて、ファンド総額を51.01億円まで拡大してファンド組成を完了しました。当ファンドは、当社と㈱あおぞら銀行が共同設立したファンド運営会社であるAJキャピタル㈱が運営します。
当ファンドは、2017年6月に設立した「サクセッション1号投資事業有限責任組合」の後継ファンドであり、スモールキャップゾーン(企業価値で10億円未満)を主な投資ターゲットとしています。全国の地域金融機関の皆様と連携し、そのお取引先である中小企業の事業承継問題に対し、㈱あおぞら銀行と当社の長年に亘る投資やM&A に関する豊富な知見・実績を結集して、資本政策の立案、投資、および投資後の様々な経営支援の実施により、円滑な事業承継の実現を目標とします。当中間期には2社に投資を行い、その事業承継を支援しています。
ファンド概要
ファンド名称 | サクセッション2号投資事業有限責任組合 |
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ファンド総額 | 51.01億円 |
ファンド設立日 | 2022年8月16日 |
無限責任組合員 | AJキャピタル株式会社 |
有限責任組合員 (五十音順) |
あおぞら銀行、阿波銀行、池田泉州銀行、愛媛銀行、鹿児島銀行、岐阜商工信用組合、京葉銀行、荘内銀行、東和銀行、鳥取銀行、富山銀行、日本アジア投資、福井銀行、北都銀行、ゆうちょ銀行 |
主な投資対象 | 日本国内の事業承継問題を抱える中小企業 |
投資先企業概要
社名 | 株式会社ヤエガシ | 株式会社オズペック |
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URL | https://www.kobac-ushijima.com/ | https://ospec.co.jp/ |
所在地 | 秋田県 | 東京都 |
事業内容 | 乗用車から大型車両まで幅広い車両の車点検サービス、新車・中古車販売、レンタカー取扱、損害保険代理事業等を展開 | 建設・プラントエンジニアリング・不動産の業界に特化した人材サービス業 |
事業承継の特徴 | 後継者問題を抱える企業のスポンサーが保有する株式を取得した事例 | 複数の個人株主に分散した株式を集約して取得した事例 |
特集
3
サイクループ㈱の事業は、電動アシスト自転車のサブスクリプションサービス「NORUDE(ノルーデ)」です。直近では、サービスの知名度向上に伴い個人利用者が急速に増加しています。また、これまでの営業活動が実り、法人利用も着実に増加傾向にあります。
当社はサイクループ㈱に投資を行い、株主として、法人顧客候補や新規の販路候補の紹介などを通じて同社の成長を支援しています。また、当社はプロジェクト投資として事業拡大に必要な車体の調達資金も拠出し、同社と共同で事業を運営しています。
サイクループ㈱は、自転車チャイルドシート国内最大手のオージーケー技研㈱が開発した「ふたごじてんしゃアシスト」をラインナップへ追加することを決定いたしました。
未就学の双子や年子の幼児2人を乗せて公道を走ることができる、日本初で唯一のBAAマーク(自転車安全基準に適合した自転車に貼付されるマーク)の認定を受けた幼児2人同乗用三輪自転車です。 ふたごじてんしゃは、2018年に非電動モデルが発売されて以来、多くの双子子育て世帯に活用されています。今般、数多く要望のあった電動アシスト付きが、5年半をかけてついに完成しました。
日本アジア投資のホットな話題を詳しく紹介します。
㈱足利銀行からの総額2,027百万円のプロジェクトファイナンスにより、栃木県鹿沼市、大田原市および那須烏山市で、3件、合計約6.2MWのメガソーラー発電所の開発を推進しています。
2023年9月には鹿沼市上石川太陽光発電所が竣工し、近く売電を開始する予定です。他の2件についても、今後土木工事や建設工事を本格的に開始し、開発を進めてまいります。
2023年11月、三重県松阪市で、パワーエイド三重シン・バイオマス®松阪発電所の建設が開始されました。この発電所は、パワーエイド三重合同会社が開発する、完全NON-FIT型の木材・製造業生産副産物ハイブリッド燃料による脱炭素電源です。当社は、他の出資者と共に開発資金の一部を出資しています。
株主総会資料(招集通知等)の電子提供について
2022年9月1日施行の改正会社法により電子提供制度が導入され、株主総会資料は当社ウェブサイト等に掲載し、株主の皆様のお手元には簡易な招集通知のみをお届けできるようになりました。今後当社は、電子提供制度の認知状況などを勘案して、株主の皆様にお届けする方法を検討してまいります。 引き続き株主総会資料を書面で受領することを希望される株主様は、株主総会の基準日(2024年6月開催予定の定時株主総会については2024年3月31日)までに、(1)口座を開設されている証券会社等、または、(2)当社株主名簿管理人である三菱UFJ信託銀行のいずれかにお申し出いただき、お手続きいただきますようお願いいたします。